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* ハイグレと戦いの先に

日時: 2011/10/29(土) 00:35:42 メンテ
名前: DY

設定に少し気になる点があったので修正に時間がかかりました
これからはここまで更新が停滞するのは避けていきたいですが
定期的な更新はできないかもしれません
 
Page: [1]
* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.1 )
日時: 2011/09/02(金) 22:58:06 メンテ
名前: DY




「う・・・・・・・。」
聞くに堪えない目覚まし時計の音。
この音で目を覚ますと、何も変わらない一日が始まる。
「行ってきます。」
眠い目をこすりながら部屋を出た。
今にも家を飛び出しそうな程、元気そうな少女がいる。
私の妹、上沢 結香 小学6年生。
しっかりしているが、内面は幼くて、時々甘えてくる。妹らしい・・・のだろうか。
今日も早くに学校へ向かうところなんだろう。
「あ、お姉ちゃん。おはよう。」
私にとっては眩しい笑顔を見せてくる。
私と結香の性格は正直正反対だ。
理想主義というか何というか・・・
「おはよう。んじゃ、行ってらっしゃーい。」
それだけ言うと、私は洗面所へと向かう。
後ろから二度目の行ってきまーすを聞きながら、私は顔を洗った。



中学校の制服を着た私は学校へ向かうため、家を出る。
空は快晴・・・なんというか爽やか過ぎるくらい。
トボトボと歩いていると、後ろから誰かに小突かれた
「やっ、杏美。」
明るい顔立ちをしたをしたショートカットの少女だった。
「七夏じゃん、おはよう。」
この少女は私の友人、谷崎 七夏。
そこまで趣味は合わないにしろ、私の他愛もない話を聞いてくれる。
だけど、今日の様子を見るに、何か自慢でもしたいことがあるのかな。
「それで、七夏。何かあったの?」
変に焦らされるより聞いちゃった方が早いだろう。
「わかる?・・・じゃーん!」
七夏が持っているのは・・・紙切れ?
「何その紙切れは。」
「怒るよ?これはライブのチケット。」
ライブのチケット?
近くでライブやるなんて聞いてないけどなぁ。
「誰のライブ?」
興味はないが、とりあえず聞いてみる。
「ふふーん、聞いて驚かないでよ。あのアイドルユニット、サニー&スノーのライブ。」
サニー&スノー・・・そういえば、高校一年にも関わらず、メジャーデビューしたアイドルユニット。
今じゃ、相当のファンがいるほど。
アイドルなんかに興味のない私でも知っているぐらいだから凄いんだろう。
「見せびらかしても、私は興味ないから。期待してるようなリアクションはとれないよ。」
「わかってるけど、どうしてそんなに現実主義なのさ。」
「アイドルとは住む世界が違うのよ。それに、特撮だの漫画だの、そんなものは現実逃避としか思えない。好きな奴は勝手にすればいいけどさ。」
「うわぁ・・・相変わらずだね。それでさ、このライブのチケット、杏美の分もあるんだよね。」
嬉しそうに取り出すのはおそらく私の分のチケット。
「あのさ、私が興味ないのは知ってるんだよね?」
「実は鈴賀も誘ったのー。」
「は・・・?」
鈴賀は七夏と同じ、私の友人。
だけど過去の怪我が悪化して、今は病院で寝込んでいるはず。
「実は鈴賀ね、ライブ一緒に行けるの。リハビリ、一生懸命やってたからね。」
鈴賀、私の知らないところで頑張ってたんだ・・・
「それで、来るよね?鈴賀は頑張ったんだよ?」
「はいはい。鈴賀が行くって言うなら私も行きます。だけど、買い物があるから。」
「それじゃあ、私が鈴賀迎えに行くから、会場で待ち合わせね!」
それだけ言うと、私にチケットを一枚渡して学校へ向かって走り去って行った。
一人突っ立っていると、遠くから授業開始の鐘が響いてきた。
あ、遅刻だ。





「雪菜、もうすぐ会場に着くってさ。」
「・・・・・・・。」
高速道路を走る車内、私の隣では嬉しそうに窓の外を眺める少女がいる。
水野 晴花、私の親友であり、パートナー。
赤髪のくるっとカールしたポニーテールが可愛らしい。
「晴花、あまりはしゃがない。」
軽く注意を促すと、晴花は振り返る。
「いいじゃん、別に。折角のライブなんだし。」
確かにそうだけど。
それ以上に心配なのは・・・・・





先に会場入っちゃてていいよ、とだけ書かれたメールが携帯に送られてきた。
学校も終わり、放課後・・・七夏とは途中で別れた。
買い物も済ませ、会場前まで来たはいいが。
会場付近は人混みが尋常じゃない。
「それにしても急だよねー。あの二人が突然、この街でライブなんて。」
「何でだろうねー。でも、生で見るの初めてだし、凄くワクワクしてる。」
「同い年ぐらいなのに凄いよねぇ、あの二人。」
高校生と思う、二人組の女子が横を通り過ぎて行く。
「はぁ・・・仕方ない、一人で入ってようかな。」
会場の中は既に人でいっぱいだった。
私、人混みダメなのになー。
それにしても随分と広くて綺麗な会場だなぁ。
あれ・・・・でも何かおかしい?
「きゃあぁぁぁぁあああ!!」
そう思った時には外からの悲鳴が会場に響き渡った。
一瞬、静まったかと思うと、騒ぎ出す人達。
野次馬と思しき人達が悲鳴の聞こえた方へ走りだす。
だけど、私にはどうも嫌な予感しかしなかった。
「いやあぁぁぁぁあああ!!」
更に聞こえてくる悲鳴。
これは尋常じゃない・・・
会場の人達も、それに気付き出す。
その刹那、会場に見たこともない服装の連中が乗り込んできた。
銀行強盗?とでも思わせるような奴等。
頭にパンストを被っている人たちだった。
そいつ等は銃を持っている・・・おもちゃにしか見えないが。
だけど、そいつ等、その銃を撃つ構えだ。
その銃口からは・・・・ピンク色の光線?
「きゃあぁぁぁぁぁああ!!」
嘘・・・あの光線、何?
光線の命中した女性の服が消え、きわどい水着姿へと変わる。
そして、その姿になり、女性が始めた行為に私は目を疑った。
「はいぐれ!はいぐれ!はいぐれ!」
どうして・・・何で、コマネチらしき動作を繰り返すの?
意味が分からない。
あの光線で人をおかしくする?そんなバカなこと・・・
そんなことを考えている余裕もなく、次々に人達が水着姿に変えられていく。
お客も一斉にパニックに陥り逃げようとする。
確かにこれはまずい・・・私も逃げないと。
とにかくステージの裏の方へ走りだす。
奴等が入ってきた場所の死角である、ステージ裏。
ステージの方で押し合いやパニックに陥った人達が襲われてるだろう。
直にここにも来るだろうが、今はここに隠れてるしかない。
とりあえず、近くにあった小さな部屋に身を隠した。
「どうしよう・・・ここから、どうやって逃げたらいいんだろう。」
段々と悲鳴が近くなってくる気がする。
ここから逃げるには・・・
部屋に差し込む光、それは窓からの陽光。
逃げるのなら、この窓しかない。
窓から外の様子を確認し、開けて乗りだす。
「とにかくここを離れないと・・・。」
会場から脱出した私は走りだす。
だけど、考えが浅はかだった。
外にも群れをなした、パンスト集団がいた。
道行く一般人も水着姿にされている。
既にそこらじゅうの人達は全て水着を着せられている。
集団に気付かれた私に向けられる光線銃。
「い、いやあぁぁぁああ!」
私もやられる・・・・
「そうは・・・いかない。」
誰かの声・・・それが聞こえた時には目の前に一人。
青い長髪がなびく。
私より少し身長の高い少女が立っていた。
そして、その少女は水色のドレス姿。
ふわっとしたドレスにフリフリのスカート。
漫画にでも出てきそうな姿をしたこの人は・・・
「だ、誰・・・・。」
「あなたは私が守る。」
少女が手を空にかざすと、水色に光る杖が姿を現す。
パンスト達は少女に光線銃を向けている。
「・・・ふふっ。」
笑った?
そう思った時にはパンスト達は氷づけになっていた。
ドレス姿の少女・・・・
私が見ているものは本当に現実なのだろうか。


* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.2 )
日時: 2011/09/09(金) 22:16:32 メンテ
名前: DY




「怪我はない・・・?」
ドレス姿の少女は私に手を差し伸べる。
その目は優しく、どう見ても普通の人に見える。
今、人間とは思えない力を使っていたとは考えられない。
私が何も答えられずにいると、また一人、少女が近づいてきた。
カールされたポニーテールの可愛らしい女の子。
だけど、ドレス姿ではない・・・真っ赤なベストにデニムショートパンツ。あれ?あの服は確か。
でも、なぜか怒っているようだ。
「ちょっと、そこの子。助けてもらっておいて、お礼も言えないの?」
私を指さす。お礼を言ってないことに怒っているようだ。
「晴花。恩着せがましいこと言わないの。」
ドレス姿の少女が怒る晴花という女の子を止める。
「だって、雪菜が戦って助けてくれたのに、何も言わないで。」
「誰だって、この状況を素直に受け止められないって。それより、敵がまた来るかもしれないし、時間もない。」
考え事をしてるように見える雪菜と呼ばれるドレス姿の少女に苛々してか、ポニーテールの女の子が不満そうに口を開く。
「それでどうなの?この子は本当に・・・。」
雪菜と呼ばれる少女は私の方をチラッと見る。
「間違いない。この子は私と同じ。」
「・・・・・あの、あなたがたは。」
「ん?へっへー、あたし達はアイドル、サニー&スノー!」
やっぱり・・・あの二人だったのか。
でも、今本当に聞きたいことは・・・
「・・・この力のこと?」
雪菜と呼ばれる少女が私の方を見て聞く。
「詳しいことを話したいけど、時間がないの。私達についてきて。」
突然過ぎる。
今知りあった人について来いと言われても・・・・。
「え・・・?でも・・・・。」
「ほらほら、急がないと!ついてこないとは言わせないからね。」
晴花という少女が背中を押す。
確かに今、単独で逃げ回ってもパンスト達に捕まってしまうかもしれない。
他に案もないため、二人について行くことにした。




二人に連れられ、四人乗り程度の車の中にいた。
車はどこに向かっているかすら、わからないが。
「あたしの名前は水野 晴花。晴れの花って書いて晴花。まぁ、会場にいたんなら知ってただろうけど。それと・・・さっきは怒りかかって悪かったよ。」
「あ、別にいいですよ、晴花さん。」
「さん付、禁止。」
晴花さんがジト目で私の方を見てくる・・・
さん付が凄く嫌みたい。
「え・・・っと、晴花?」
「それでよし。よろしく、杏美。」
すぐに笑顔に変わった・・・
結構、喜怒哀楽が激しいんだなぁ。
「私は天宮 雪菜。よろしくね。」
助手席に座っていた、雪菜さんがこちらを向き、笑顔で自己紹介する。
さっき、急にドレス姿から晴花と同じ格好に戻った時は驚いたなぁ。
まぁ、ベストの色は水色だけど。
「あ、私は上沢 杏美です。」
慌てて自分も名乗る。
「杏美ちゃんね、よろしく。」
「ちぇー。雪菜、一歳上だからって杏美のこと、ちゃん付けで呼んじゃってさぁ。」
口を尖らせ、不満そうにしている晴花。
って、何かおかしいような・・・
「あれ?どうして私の年齢を・・・?」
「あー・・・いや、それは。」
困り顔の晴花は私から目を反らし、雪菜の方を見つめる。
「晴花、もう隠す必要はないかもしれないわね。」
「ま、まぁ、そうだよねー。」
雪菜さんが改まって、私の方を見る。
「私達はあなたのことを調べてたの。」
「調べてた・・・?何で私を?」



「アクション・・・ストーン?」
「そう、アクションストーン。私はそれで変身して戦ってるの。」
・・・・何て言えばいいんだろう。
変身して、あのパンスト集団と戦ってる?
どこまで非現実的なことが起きてるって言うのよ。
でも、さっき助けてもらった時のあれを見ると信じるしか・・・・
「それで、これが私のアクションストーンよ。」
雪菜さんが水色に光る石を見せてくれる。
一見、奇妙な店で売ってそうなパワーストーンってところにしか見えない。
本当にこれを使って戦っているのか?
「んで〜、これが杏美のアクションストーンだよね?雪菜?」
「そう・・・それが、杏美ちゃんのアクションストーン。」
雪菜さんがそういうと、晴花が私の手に黒く綺麗に光る石を手渡す。
「これが選ばれた人にしか使うことのできない力。」
これが、雪菜さんを変身させるのに使った石・・・
「力を使うには、首元にアクションストーンを当て、そして、願うの。」
「願う・・・?」
「力を貸して・・・って。」
この石には人の気持ちを受け止める力があるのか・・・
「杏美ちゃんは使い手の中でも特別。それはアクションストーンのコアなの。だから、こうも早くに見つけることができた。」
コア?雪菜さんのアクションストーンの元になったのかな?
「勝手なことながら、客席にいる人達に力を持つ子がいないか探していたの。今日のライブもそのため。こんなにも早く敵が攻めてきたのは誤算だったのだけど。」
「雪菜は悪くない。だって、こんなに頑張ってるじゃん。それに結果的には全ての人の為になるんだから。」
なんだか頭が整理できない・・・
そういえば・・・結香は?
学校からは帰ってきてるだろうか。
急いで携帯電話を取り出し、自宅にかける。
「・・・・・・・。」
ダメだ・・・結香、電話に出ない。
まさか、あいつ等にやられた?そんなことって・・・・
「あ、あのさ、杏美?さっきから深刻そうな顔してるけど、大丈夫?」
晴花が苦笑いしながら心配している。
「・・・・妹と連絡が取れなくて。」
言わない訳にもいかず、本当のことを言ってみる。
それを聞いた晴花は思案顔で窓の方を見つめる。
「妹が連絡不通ね・・・・もしかして、もうパンスト兵に。」
「晴花!なんてこと言うの!!」
助手席に座っている雪菜さんが振り返り、晴花を怒鳴りつける。
「あ・・・ご、ごめん。あたし、そんなつもりじゃなくて。本当にごめん。」
申し訳なさそうに私に謝る晴花。
でも・・・誰だって晴花と同じことを考える。
もし、結香があんな姿にされていたら・・・
私が行かなくちゃ・・・・
今、車も敵の偵察を逃れるために、停車している。
・・・・やるしかない。
「・・・・ごめんなさい!」
一瞬の隙をついて、車のドアを開いて外へと出る。
「杏美!?」
「杏美ちゃん、待って!」
後ろから声が聞こえるが、私は走りだす。
今は結香のことで頭がいっぱいだった。



* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.3 )
日時: 2011/09/09(金) 22:18:07 メンテ
名前: DY




「・・・くっ、あいつ等がいる。」
建物の陰に身を隠し、様子をうかがっている。
あのパンストが飛びまわっている。
流石に、あいつ等に見つからないように自宅に戻る手はないか・・・
「いやあぁぁああああ!!」
誰かがこちらへ走ってくる・・・
あの制服・・・うちの学校の女子生徒だ!
あいつ等に追われているのだろうか。
助けなきゃ・・・これしかないか。
私はあのまま持ち出してきてしまったアクションストーンを首元に運ぶ。
力を貸してほしい・・・・強く念じる。
「な、何これ・・・。」
私の衣服が雪菜さんとは少し違った、ブラックドレスに変わっている。
茶髪でロングの私に黒いリボンが与えられている。
そして、右手には真っ赤な拳銃、左手には青拳銃。
もしかして、私はこの武器で戦うの?銃なんて使ったことないのに。
「とにかくあの子を助けなくちゃ!」
建物の蔭から飛び出て、パンスト野郎に赤い右手拳銃から一発。
出てきたのは鉛玉ではなく、黒い光だった。
それはパンストの乗り物に命中し、そのまま遠くへ吹っ飛んで行ってしまった。
「す・・・ごい・・・・・。」
これがアクションストーンの力・・・・
「ねぇ、大丈夫・・・?」
女子生徒に近づく。
「い、嫌・・・あんな姿になりたくない!」
「お、落ち着いて・・・。」
どうしよう・・・この人パニックに陥ってる。
だけど、結香のことが心配。
「と、とにかく、どこかに隠れていて。」
それだけ言うと、私はその場を立ち去ろうとする。
正しい判断をとれているだろうか・・・・
「きゃあぁぁぁあああ!!」
そう思った瞬間、背後から聞こえた。
すぐ後ろにいた女子生徒が援軍に現れたパンストに撃たれていた。
「はいぐれ、はいぐれ、はいぐれ。」
黄緑色のハイレグ姿になった女子生徒は泣きながらコマネチを始める。
私、何してるんだ・・・パニックの人を放っておいたらこうなることは・・・
援軍のパンストが今度は私を狙ってくる。
光線は速いが、咄嗟に下がり、かわすことができた。
身体能力の向上・・・こういうことか。
「反撃するよ!」
左手の銃から黒い光を放つ。
青い左手拳銃の光・・・赤拳銃より速い。
パンストはさっきの奴同様、吹っ飛んで行ってしまった。
「ハイグレ!ハイグレ!ハイグレ!」
先程の女子生徒は変わらず、コマネチを繰り返す。
少しではあるが、顔がうっとりし始めている。
本当にまずい状況下であることはわかる。
「結香・・・すぐに戻るから、無事でいて。」





全力で走り、やっとの思いで自宅に到着。
「はぁ・・・はぁ・・・・結香!お母さん!」
家へ上がり、叫ぶが返事はない。
「そんな・・・・結香!!」
「お姉ちゃん・・・・?」
背後から声が聞こえた。
この声は間違いなく結香。
「結香!」
振り返ると、そこには結香が立っていた。
朝と変わらない私服姿の結香が。
「結香!よかった・・・・無事だったんだ。」
「うん・・・・今まで庭の倉庫に隠れてたの。でも・・・」
結香が凄く辛そうな顔をしている。
「どうしたの?」
「私、お母さんと一緒に買い物に行ってたの。でも途中、見たこともない人達が襲ってきて・・・・。」
「もう言わなくていいよ・・・。」
これ以上聞くの結香が辛いだろう。
「だって・・・だって・・・・・お母さんが私を庇って・・・・・・。」
俯き、今にも泣きだしそうな結香。
「結香・・・・。」
自分の為にお母さんが撃たれるところを見た・・・
私が戻ってくるかもわからないまま、ずっと倉庫の中で隠れていた。
どれだけ不安だっただろう。身を震わせながら、真っ暗な倉庫の中で。
私はそっと結香を抱きしめた。
「大丈夫、私が守るから・・・・。」
私はしばらくそのまま動けなかった。



* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.4 )
日時: 2011/10/29(土) 00:33:27 メンテ
名前: DY


少しの時間が経ち、今は部屋でこれからのことを考えていた。
ここにいるのも危険だろうし・・・
「お姉ちゃん・・・これからどうなっちゃうんだろう・・・・。」
結香が不安そうにしている。
私、バカだな・・・雪菜さん達の所を飛び出してきたから連絡手段がない。
徐に携帯電話を取りだす。

『着信あり 1件』

ん・・・?七夏から?
私は急いでかけ直す。結香は黙って私の方を見つめている。
だけど・・・出ない。
もしかして病院にもあいつ等が?
だとしたら七夏と鈴賀が危ない。
でも、結香を連れて行く訳には・・・
「結香、私の言うこと聞ける?」
真剣な表情で私は話す。
そう、結香には待っていてもらうしかない。
「嫌・・・・。」
「ま、まだ何も言ってないよ。」
「わかるよ・・・待っててって言うんでしょ?」
流石にわかっちゃうものなのか・・・
確かに、また一人で待っていろというのは酷な話だ。
それでも結香は守りたい。
「もう、一人は嫌だよ・・・。」
「だけどね、私は友達のいる病院に行かないといけないの。」
「私も一緒に行く!」
結香は真っ直ぐに私を見つめる。
「でも・・・・。」
「お願い・・・お姉ちゃん・・・・。」
・・・本当は連れて行かないべきなのだろう。
結香を連れて行くなんて、姉としてどうかとは思う。
それでも・・・守らないといけない。
私の手の届く場所で。





結香に力の説明はした。
状況が状況だ。アクションストーンの話も信じてくれた。
それで極力、敵に見つからないようにここまで来たはいいが・・・
バリケードの張られた病院。
これは・・・大惨事があったのだろうか。
「ここにお姉ちゃんの友達がいるの?」
「・・・多分いると思うんだけど。」
日は沈みかけ、暗くなりかけている。
私達は裏に回り、裏口から中へ入って行った。



コツコツと足音が響く、真っ暗な病院
それにしても不気味・・・
バリケードが壊されてなかったのに、中には誰一人いない。
どこか違う入り口があるのだろうか。
来るまで、ただでさえ心配していたのに、中の様子を見て不安が強さを増す。
「・・・・お姉ちゃん?」
「ん?大丈夫だよ、結香。」
階段を上がったところ、ここは二階か・・・・
っ!?足音!!
この階の廊下を歩く足音が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・。」
慌てて結香の手を引き、すぐ隣のナースステーションのカウンターに屈み、身を潜める。
足音が近づいてくる。パンストの奴か?
結香、喋ったらだめだよ?と口に手を当てて合図する。
だけど、カウンターの横を歩いて行ったのはナース服姿の女性だった。
え・・・・・?一階には誰もいなかったのに。
とにかく、普通の服を着てるところ、無事な人なのだろう。
「あの・・・・・。」
体を起こし、ナース服の女性に声をかける。
「ひっ!!」
その女性は背筋を伸ばし、驚いた様子で私の方に振り返る。
「私達・・・今、ここに来たのですが。」
私の姿を見て、ナース服の女性は胸をなでおろす。
「よかった・・・一般人の方ですか。」
「外の事情は知っています。この病院では何があったのですか?」
「・・・ここで話すのは難です。一度こちらへ。」
女性は階段を上がって行く。
「普通の人みたいだね、行こう、結香。」
とにかく私達はついて行った。



「この部屋です。」
女性に案内された部屋は三階の死角になっている小さな部屋だった。
扉を開けると、二人の少女がソファに座っていた。
「杏美!?無事だった!?」
「七夏に鈴賀!?」
ソファに座っていたのは間違いなく七夏と鈴賀だった。
「電話に出なかったからもしかしてと思ったよ・・・。」
七夏が心底安心した様子だ。
鈴賀も隣で七夏と同じような反応をしている。
三鷹鈴賀、七夏と同じ私の友達。
サラサラなセミロングの髪は羨ましいと思ってしまう。
「杏美、無事で良かった・・・・。」
鈴賀は立ち上がり、私に近づこうとするが、ふらついてしまう。
「鈴賀!大丈夫?」
私は鈴賀に手を貸す。
「あ、ありがとう。」
「鈴賀お姉ちゃん、痛いの?」
結香も小さな手を鈴賀に貸そうとする。
「結香ちゃんもありがとね。でも、大丈夫。」
「二人とも、知り合いだったみたいね。良かったわ。」
ナースと思われる女性が扉を閉めて、私達の方を見る。
「でも、どうしてこの病院はほとんど人がいなかったんですか?」
私は女性に聞く。
「あたしが来た時には鈴賀とナースさん以外、誰もいなくてさ。」
まずは七夏がそれだけ言う。
「突然でした。パンストを被った集団が病院に乗りこんできました。患者や看護師は次々に水着姿に変えられ、奇妙な動作をさせられ
私は怪我で走ることはできない鈴賀ちゃんを誘導しようとしましたが、既に退路は集団がいて、逃げられませんでした。
ですから私と鈴賀ちゃんはこの室に隠れていました。死角になっていた、ここまでは探されなく、私達だけがここに。」
そうか・・・それでこの病院は・・・・・って、あれ?
「水着姿にされた人って、ずっとあの動作をするだけじゃ・・・。」
だとしたら病院中、水着姿の人達がいるはずだが。
「・・・それが、水着姿にされた人達はパンスト集団の命令に従っているように見えたのです。」
「え・・・?それって、人を操れるってことですか?」
「私が見るに、そんな感じでした。」
それって、本当に地球を侵略しようってことじゃない。
「それでさ・・・杏美、その銃と格好は?」
「えっと・・・説明するね。」



「杏美が戦う・・・・凄いことになってる訳ね・・・。」
「信じるしかないよね・・・杏美が言うんだもん。」
一通り説明を終えたはいいけど、これからどうしよう。
雪菜さん達と合流できれば・・・・
「とりあえず、しばらくはここにいるしかないね。」
七夏の意見に異論はない。
だけど、ここも安全かどうか・・・・・
「そうですね、とりあえずは食糧を取ってきます。」
女性が立ち上がり、部屋を出ようとする。
「あ、私も行きます。」
戦うことのできる私が行っても邪魔にはならないだろう。
私と女性で下から食糧を取りに向かった。



* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.5 )
日時: 2011/10/29(土) 00:33:52 メンテ
名前: DY




「これだけあれば何とかなるでしょう。」
一階で食糧の確保を済まし、部屋に戻ろうとするが・・・
「静かに・・・。」
女性の手が私の口に当てられる。
理由は分かる。足音が聞こえてきたからだ。
廊下を歩いてくるのは・・・3人程だろう。
先程のカウンターに身を潜めているはいいが、これからどうするか。
「ダメよ。今動いたら・・・。」
女性は私を止めるが、動かなかったら結香達が危ない。
「私がやらなかったら誰がやるんですか。」
私は女性の制止を振り切り、カウンターを飛び出す。
パンストが私に気付いたけど、もう遅い。
右手拳銃、左手拳銃を1発ずつ撃ち込む。
あっという間にパンスト二人は床に倒れる。
残りの1体が反撃に出てくる。
光線銃で狙い撃ってくる。
「当たるもんか!」
上昇している身体能力、反射神経も早くなっている。
パンストが銃を構えた時には回避に動けた。
「今度はこっちの番!」
左手拳銃で引き金を引く。
「覚悟!」
銃口からは黒い光が放出され、パンストを貫く。
だけど、それが囮とも気付かなかった。
背後の殺気に気付いた時には遅かった。
「挟み撃ち!?」
「危ない!」
女性がカウンターから出てくる。
「出てきちゃダメです!」
言った時には遅く、パンストは女性を狙う。
女性が光に包まれ、手足を大の字に広げていた。
一瞬で白いハイレグ姿に変わっていた。
「そ・・・そんな・・・・・。」
「はいぐれ!はいぐれ!はいぐれ!」
目を閉じ、苦しそうにコマネチを繰り返す。
恐怖のあまりでか、私の体も動かない。
撃たれる・・・・

「私の可愛い後輩に手を出さないでくれる?」

どこからか声が響く。
突然、氷のような鞭が窓を破り、パンストを縛りあげる。
「な、何なの・・・。」
その鞭を辿るように水色のドレス姿の女性が窓から入ってくる。
「雪菜さん・・・?どうしてここに・・・・・。」
間違いなく、その姿は雪菜さんだった。
「あなたのアクションストーンの位置を特定してもらったから。」
その後を追うかのように裏口から入ってきた少女。晴花だ。
「だけど、一度研究所に戻ったからね・・・時間かかったよ。」
「晴花も・・・。」
「杏美!何かあったの!?」
窓の割れた音に気付いてか、七夏の声が聞こえてくる。
階段を駆け下りてきてるみたい。
「私は平気だよ、七夏。ただ、ナースさんが。」
「え?・・・・・でも、杏美は悪くない。」
私の元に来た七夏は慰めるように優しく言ってくれた。
「それで、杏美の友達みたいだけど。妹ちゃんの方は無事だったの?」
「コラッ、晴花。いつも言ってるけど、少しは相手のことも考えなさい。」
腕を組み、注意をする雪菜さんに晴花は口を尖らせている。
「雪菜はすぐに子ども扱いする。でも・・・・ごめん、杏美。」
「晴花、気にしないで。それに・・・結香、無事だったんだ。」
それを聞いて晴花の表情が一変する。
「ちょっ!そういうことは先に言ってよ!」
「言う暇もなかったでしょ。」
雪菜さんが晴花を止める。
「雪菜が怒ったからぁ・・・。」
「はいはい、ごめんね、晴花。」
優しく晴花に謝る雪菜さん。何か、姉妹みたい。
二人の会話の脇で七夏が固まってる。
「どうしたの?七夏。」
「さ、サニー&スノーが目の前に・・・・。」
「はい?七夏?」
「杏美と仲良く話してる・・・・何で!!」
「ちょっと七夏、落ち着いて!」



「という訳なの。杏美ちゃんの力はどうしても必要。突然過ぎるとは思うんだけど・・・。」
結香と鈴賀のいる部屋に戻り、事情の説明をした。
「それで、雪菜さん。杏美や雪菜さん以外にも戦う人はいるんですか?」
鈴賀がもっともらしい質問をする。
「えぇ、いるわ。私と杏美ちゃんの他に三人。二人は既に見つかっていて、調査に動いている。」
「んぐ・・・残りの一人はこの街にいるってのはわかってるんだけどね。」
雪菜さんに続けて晴花がさっきとってきた食糧を食べながら説明をする。
口いっぱいに食べ物をほおばる晴花は何だか可愛い。そりゃあ、普段も可愛いけど。
「晴花、ものを食べながら話をしないの。」
「だって、今日は朝ご飯もまともに食べられなかったんだもん。」
「まったく・・・それで、杏美ちゃん達と合流できて良かった。これから教授の元に行くから。」
「教授?」
「まぁ、アクションストーンに一番詳しいって所ね。外に車を止めてもらってるの。」
「雪菜、車は四人乗り。無理に詰めても五人が限度。運転手さんは外せないから、二人は乗れないよ。」
晴花が困り顔で言う。
「私は拠点の場所が分かるし、戦える。だから私と晴花が乗らない。」
「オッケー。杏美達は車で行ってね。」
そう言って部屋を出ようとする雪菜さんと晴花。
「ちょっと待ってください。私は戦えます。だから晴花じゃなくて私が・・・。」
「誰か戦える人が一人は乗っていてほしいの。だから杏美ちゃんは車で・・・いい?」
「そ、そういうことなら・・・・。」
ただ、一つだけ気になってることがある。
「雪菜さん、この銃・・・。」
私が言いたいことがわかったかのように雪菜さんは頷く。
「聞きたいこと、それは山江教授から聞くといいわ。」
「そうですか・・・わかりました!」
「うん、それじゃ、拠点でまた合いましょう。」



* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.6 )
日時: 2011/11/25(金) 22:35:32 メンテ
名前: DY




病院を出て、車に乗り込んだ私達。
どこからか聞こえてくるハイグレコールや悲鳴。
空は夜なのに不気味な光が見えたり、恐怖心を強く煽られた。
裏道を通っていたこともあるが、なぜか誰ひとり見かけることはなかった。
そして、山のふもとにある小さな建物へと着いた。
既に辺りは真っ暗で、電灯一つないため、視界はほとんど奪われている。
「こちらです。」
車の運転をしていた女性に導かれ、その小さな建物へと案内される。
外から見るに、本当に誰も住んでなさそう・・・電気一つついてない。
「この建物の裏です。敵に気付かれないため、このような場所になっていますが・・・。」
案内されるがまま、建物の裏へ回ると、地下へ続く階段らしきものが。
「こちらが研究所になります。正しくは拠点と言うべきですが・・・。」
女性は地下へと下って行く。
私達も後を追った。
長い階段を下ることしばらく、次第に光が見えてくる。
「あちらが私達の拠点です。」
この近未来的な場所が・・・・見たこともない装置やら、色々と置いてある。
「・・・・・・・。」
突然、結香が私の手をギュッと握ってくる。
「結香・・・大丈夫。」
そう言って、結香の頭を優しく撫でると、前に向き直る。
階段を下りきり、辺りを見回す。
私が持っている黒いアクションストーン・・・色は違うが、アクションストーンらしきものが近くのモニターに映っている。
七夏と鈴賀も驚いた様子で辺りを見回している。
皆、急に色々と起こり過ぎていてか、ほとんど絶句状態だ。
「コアの使い手が到着したのかしら・・・・。」
奥にある自動ドアが開き、白衣姿の一人の女性が現れる。
「雪菜から詳しいことは聞いたわ。あなたがコアの使い手ね。」
すぐさま、私の前に立つ、白衣姿の女性。
長く綺麗な髪、スタイルもよく、綺麗な人・・・
「良かったわ。コアの使い手が見つかって。」
何と言うか、研究者だからか、少し目つきが鋭い気もする。そこがこの人にクールさを漂わせているのか。
だけど・・・何か、羨ましい。私も大人になったら、こんな女性になりたいな・・・なんて。
「・・・・・あなた、話聞いてる?」
女性の一言で我に帰る。
「は、はいぃ!何ですか!?」
何とも情けない声を出してしまった。
「・・・この子、大丈夫かしら。」
もしかして、私呆れられてる?
「あの、すみません・・・ここは、一体何なんですか。」
鈴賀が私のすぐ隣に来て、女性に声をかける。
「あなたはコアの使い手の友達かしら。ここは、ハイグレ魔王を倒すべく作られた研究所。一般人の保護にも使っている場所ってところかしら。」
こんな場所が作られてたなんて・・・まったく知らなかった。
鈴賀達もまだ、頭の整理ができてないのかな・・・・
「それで、コアの使い手。あなたが力を持ったからには話さないといけないことがあるの。ついてきてくれる?」
「あ、は、はい。」
歩き出す女性の後を私は追う。
途端に女性が振り返る。
「ごめんなさい、力を持った人にしか話せないことなの。他の三人は部屋があるから、そっちで休んでてもらえる?」



教授に案内された部屋、パソコンやら奇妙な配線やらがある。
戸惑う私を気にかけず、教授は私の右手に握られている赤い拳銃を触る。
「弾速は拳銃と同程度ながらも、威力はアクションビームほどの力を持つ赤拳銃、名は赤龍。」
この赤い拳銃の名前?これが赤龍・・・
次に私の左手に握られている青い拳銃を触る。
「威力は赤龍に劣るものの、弾速は遥かに上回る青拳銃、名は青龍。」
この青い拳銃が青龍・・・・
「一番に話すべきことはこれくらいね。」
教授は再び私と距離を取る。
「それからこの力のことも話した方がいいんじゃないですか?山江教授?」
部屋に入ってきて、ゆっくりとこちらへ近づいてきたのは。
「雪菜、お帰り。大変だった?」
「少なくとも、パンスト兵と戦ってるよりは有意義でした。」
「違いないわね。それじゃあ、杏美ちゃん、あなた達の力について話すわ。」
力?説明はされたはず。どういうことだろう・・・
「あなた達には3つの特別な力が与えられる。」
山江教授が言うと、雪菜さんが水色のアクションストーンで変身する。
「1st発動。」
雪菜さんの手に氷でできた杖が現れる。
「次、2nd発動。」
雪菜さんの杖が氷の鞭に変わる。
「これで終わり。まだ3rdは使えないの。」
「え?どうして・・・。」
「アクションストーンは人の気持ちとシンクロして力を発揮する。」
山江教授が私に一歩近づき説明する。
「えっと・・・どういうことですか?」
「強くなりたい、誰かを守りたい、など、人間は強い感情を持ってる。アクションストーンはそれを浴びて強くなる。」
「そう、だから杏美ちゃんも直に使えるようになるわ。」
「今の私は何も使えないんですか?」
「そうなるわね・・・・。」
それって、私は足手まといになるんじゃ・・・・
ふと、そんなことを思った時、私の肩に雪菜さんの手が置かれる。
何も言わないけど、なぜか安心する。
そうだね、一人で戦うんじゃない。
「教授・・・あれも話しておくべきでは?」
突然、雪菜さんが意味ありげな発言をする。
「雪菜、杏美ちゃんはまだ気持ちの整理ができてないわ。少し考える時間をあげましょう?」
教授が私の方を心配そうに見ながら提案する。
「そうですね・・・・今日はもう遅いですし。明日に備えて寝るといいわ、杏美ちゃん。」
「え、でも・・・大丈夫ですか?」
何で聞いたかはわからない。
だけど、私が休んでいていいのだろうか。
「あら、いいのよ。気なんて使う必要ないわ。明日はあなたに負担をかけることになるだろうし。」
「そうですか・・・それじゃあ、そうさせてもらいます。」
「あ、シャワールームなら自由に使っていいわよ。」
へぇ、シャワールーム使っていいのか。
そのまま、シャワーを浴びに行くことにした。

「・・・・・はぁ。」
シャワーを浴びながら、今日のことを振り返ってみる。
本当に、今起きていることは現実なのか。
いや、夢でないことは分かっているけど、俄かには信じ難いことだ。
宇宙人が攻めてきたとか、それだけでも非現実的すぎるのに、何で人間をあんな水着姿にするかな・・・
宇宙人なりの価値観ってものがあるにしても、訳が分からない。ゆえに恐怖を覚える。
「アクションストーンか・・・・。」
私に与えられた力を持つ、黒い石。
コアだとか何だか言っていたけど、何なのだろう・・・・
理解できないし、正直するつもりもない。
ただ、言えることは、結香は守る。何があっても。
* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.7 )
日時: 2011/11/25(金) 22:36:58 メンテ
名前: DY


私はシャワールームを後にして、部屋へ移動しようとする。
部屋と向かう廊下に一人の女の人がいた。
見たところ、雪菜さんと同じぐらいの年齢に見える。
「あの・・・・。」
「あなたが雪菜の保護したっていう人かな。」
髪を軽く結んでいる女の人は私に問いかけてくる。
「え、あ、はい。」
「初めまして、私は佐々乃光香。あなたと同じアクションストーンの使い手よ。」
「あ、あなたもなんですか。」
「えぇ、これでも雪菜より先輩なんだから。」
光香さんはニコッと笑う。
「あ・・・私、杏美です。上沢 杏美。」
「杏美ねぇ・・・いい名前。よろしくね!」
「はい、こちらこそ。光香さん。」
私が自己紹介を終えると、光香さんは一息つく。
「ふぅ・・・突然のことばかりで動揺してる?」
「え・・・はい・・・・・。」
「そりゃそうだよね。私も最初は同じだった。訳も分からずパニック起こしてね。今、パニックは起こさないぐらい。まだ、全部を飲み込めた状況じゃないの。」
「・・・・・・・・。」
私が黙りこむと、光香さんは私の肩に手を置く。
「急に戦場に立たされるんだもんね。怖いよね。でも、大丈夫、私や雪菜がいるんだから。重荷を一人で背負わないで。頼っていいんだよ。」
「光香さん・・・ありがとうございます。」
「はい、いい笑顔だね。今日はもう休んだ方がいいよ。きっと、明日は動かないといけない。」
「・・・・そうですね。そうさせてもらいます。」
私が部屋に向かおうとすると、光香さんに呼び止められる。
「杏美、明日から・・・頑張ろう。あなたには大切な人がいるんでしょ。」
それだけ言うと、光香さんはさっさと歩いて行ってしまった。
どうも、あなたにはという言い方が引っかかったけど、気にせず部屋に向かった。
私たちに用意されている、ベッドのある小さな部屋。
部屋に入ると、既に結香と七夏は身を寄せ合って眠りに落ちていた。
疲れていたんだろう・・・
鈴賀は部屋にはいなかった。
「杏美、話終わったの?」
「わわっ、鈴賀。」
いつの間にか後ろにいた鈴賀。
「あ、ごめん、驚かせた?ちょっと落ち着かなくて・・・・。」
「仕方ないよ、いくらなんでも急過ぎるもん。」
鈴賀は一息つき、私の方を見る。
「私、心配なんだ。杏美にもしものことがあったらって・・・。」
「鈴賀・・・・ありがとう。でも、大丈夫。」
「・・・・うん、杏美だもんね。私が信じなくてどうするんだろ。」
「私の方が心配。鈴賀だって、怪我は完治してないから。」
「私は平気。杏美が頑張ってるからね、これぐらい。」
「鈴賀、そうだね。でも、もう寝た方がいいよ。疲れてるでしょ。」
「そうしよっかな。」
私と鈴賀は顔を見合わせる。
笑顔を見せ合うと、部屋の中に入って行った。



「あら、雪菜。どうしたの。」
「教授、光香と私で収集した情報の提出に来いと言ったじゃないですか。」
「そうだったかしら?それで・・・報告できるほどの情報はあるの?」
「当然です。既に五人目が無事ということは確認済みで。」
「なるほど・・・それじゃあ、あなたのアクションストーンを貸して、少し無理させすぎたわ。」
「事態は悪い方に向かってます。一般人はかなりの人数がハイグレ化してますし。」
「そこまで慌てなくてもいいんだけど。」
「当初は急かしてた気がするんですが。」
「無理されて倒れられても困るのよ。体がついてこなくなるんじゃないかってね。」
「まだ杏美ちゃんの力は現場で使わせるには危険です。それまでは私が頑張らなくてはいけないので。」
「ふふっ、その辺りは感謝してるわ。」
「それじゃ、少し休憩をとることにします。メンテナンスが終わり次第、教えてください。」



「起きて、お姉ちゃん!」
結香の声・・・?
そうか、もう朝か。学校行かなくちゃ・・・・
あれ、私の部屋の天井がいつもと違うような・・・・
「お姉ちゃん!雪菜さんが呼んでるよぉ!」
雪菜さんが・・・・?
あれ、何かおかしい。夢・・・じゃない?
「う・・・・。」
起き上がると、目の前に結香がいた。
「わわっ!結香!」
「お姉ちゃんが寝坊するのは仕方ないけど・・・迷惑掛けちゃ駄目だよ。」
あはは・・・妹に叱られてるなんて、情けない姉だこと。



「あ、雪菜さん、おはようございます。」
部屋を出てすぐに雪菜さんは待っていた。
私に笑顔を見せてくれる雪菜さん。何というか、綺麗だ。アイドルなのも納得がいくというか・・・
私はアイドルとかに興味ないけど、雪菜さんが綺麗なのは間違いない。
「昨夜はゆっくり眠れた?」
「はい、おかげさまで。」
「それは良かった。今日はもしかしたら無理させちゃうかも知れなくて、心配で・・・。」
「ふふっ・・・雪菜さん、何かお母さんみたいですね。」
周りを気遣ってくれる雪菜さん。
お母さんを見てるみたいで・・・
「そ、そうかな・・・・。」
雪菜さんは目を反らす。
「やーい、雪菜照れてるー。」
雪菜さんが前によろける。
後ろにはポニーテールの少女が笑みを見せる。晴花だ。
「ちょっと、晴花。急に押すなんて失礼でしょう。」
「へへーっ。ん?杏美!おっはー!」
私に気付いた晴花は元気よく手を振る。
何と言うか・・・・元気が有り余ってる感じね・・・・・・
「晴花、おはよう。」
「朝から賑やかね〜。」
もう一人歩いてきた。
あれは光香さんかな。
「光香さんも、おはようございます!」
「おはよう、杏美。体の調子は平気?」
「はい、バッチリです。それで、雪菜さんが私を呼んでるって聞いたんですけど。」
「え、あ、別にもういいのよ。ごめんなさい。」
雪菜さんはそそくさと去って行った。
どうしたんだろう、急に。
何か話すことあったんじゃないのかな・・・
「雪菜、変なの〜。そうだ、杏美、朝ご飯食べよ。お腹空いちゃった。」
晴花が私の腕を引っ張る。
本当に元気だな。どこか、七夏と似てたりして。



軽いものではあったけど、朝食を取り終え、部屋へと戻った私。
入ると同時に七夏が嬉しそうに近付いてくる。
「へへっ、さっき二人からサインもらっちゃったんだ〜。」
二人って雪菜さんと晴花のことだろう・・・
「七夏って、そんなに雪菜さんと晴花が好きなの?」
「杏美〜・・・もう、それは愚問って奴だよ。サニー&スノーは今となっては超有名アイドル。本当に凄い美声で、容姿端麗。もう憧れちゃうよぉ。」
目を輝かせながら二人について語る七夏。
なんかもうスイッチが入っちゃったみたい・・・少し、そっとしておこうかな。
確かに、雪菜さんも晴花も可愛いし、綺麗だなって思うけど・・・
今はもう、二人は友達だし、仲間だ。
だけど、七夏を見てると平和な気がして、現状を忘れてしまいそうだ。
「お姉ちゃん、見て見て〜。晴花お姉ちゃんから髪留めもらったの。」
結香がお日さまの髪留めをつけて、私の元へ寄ってきた。
「うん、似合って・・・・・。」
「サニーと同じ髪留め!」
私が結香の頭を撫でようとしたが、七夏が私の前に入る。
「な、七夏・・・・?」
「いいなぁ・・・売ってないんだよ。サニーの太陽の髪留めと、スノーの雪の結晶の髪留め。」
あぁ・・・・もう、マニアックな話はいいのに。
「杏美、そろそろ集まってもらえるかしら。」
光香さんが部屋に入ってくる。
時間が経つのは早いな。逃げ回ってた時は凄く長く感じるものなのに。
「結香、七夏、行ってくるね。」



「山江教授、あいつはまた戻ってたんですか?」
あいつ?
教授の元へ来た時には晴花と教授しかいなかった。
何だか穏やかな表情ではない。
「戻ってきてないわ。」
「・・・・・そうですか。」
ん?晴花どうしたんだろう。何だか不機嫌そうだった。
それにあいつって誰なんだろう。
晴花が部屋を出て行って、教授は私と光香さんに気付く。
「あら、二人とも。もう集まってくれたのね。」
「はい、もう動きを開始するんですよね。」
「そうなるわね。いけるかしら?」
「勿論です。ですよね、光香さん?」
「当然よ。杏美が危なくなったら私が守るし。」
光香さんがそう言ってくれると安心する。
本当は内心震え上がってるぐらいだ。
経験を積んでる光香さんがついていてくれるなら、不安にも負けない・・・負けられない。
「それじゃあ、昨日説明した通りよ、光香。頼んだわ。」
どうやら今日の行動は光香さんに伝えられているようだ。
すぐに出発みたいだけど・・・
「雪菜さんは?」
雪菜さんはここにいない。なぜだろう。
「雪菜はもう行動に出てるわ。」
一人で行動してるのかな・・・
「杏美ちゃんは、まだまだ経験が浅いんだから、今回は光香と行動して。雪菜は単独行動ができる実力は持ってるし。」
「そういうこと。今は目の前のことに注目しなさい。ほら、行くよ。」
「あ、はい!」


* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.8 )
日時: 2011/11/25(金) 22:40:08 メンテ
名前: DY



「今回やるべきことは敵の布陣の把握、及び、幹部の撃破。無事の人がいたら救出もってことね。」
光香さんが今日やるべきことを話す。
幹部って・・・一体何者なんだろう。
しばらくの調査の上、路地裏で壁に寄りかかり、ただただ時間が経つのを待っている私と光香さん。
「「「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」」」
表通りからは相当な数のハイグレコールが聞こえてくる。
今のところ、パンスト兵しか見かけない。幹部なんて本当にいるのだろうか。
「できれば、洗脳されている人達のいる場所は避けないとね。戦闘に巻き込むわけにはいかないし。」
光香さんはチラッと表通りの方を見る。
「殆ど身動きが取れないわね・・・そこらじゅうにパンスト兵とハイグレ人間・・・・。」
既に私たちの街はハイグレ化させられた人達に溢れている。
もう時間の猶予もなくなっているってことなのだろうか。
「あ、杏美、少し待って。」
光香さんが通信機らしきものを取りだす。
どうやら、連絡が入ったようだ。教授かな・・・?
「はい・・・・はい・・・・・・え!?・・・・・・わかりました。」
光香さんは一瞬、驚いていた。
何かあったのだろうか。
そうこう考えている間に光香さんは通信を切っていた。
「杏美、雪菜から応援要請が来た。場所はそんなに遠くない。」
「雪菜さんから!?」
雪菜さんの実力は病院でも見たから、強いことはよくわかっている。
一体、どうして・・・・
「敵の数が相当数らしい。応戦しつつ、後退してるみたいだけど・・・・徐々に包囲網が迫って来ていて、ピンチらしい。」
多勢に無勢ってことか・・・・それは雪菜さんでも苦しいよね・・・・。
「そのうえ、完全にハイグレ人間に転向を済ませた人達からも襲撃を受けているみたいで、危険なの。早く増援に行かないと。」
「完全に転向・・・?どういうことですか。」
事態は一刻を争うのはわかっているけど、完全に転向ってどういうことなんだろうか。
「時間がないの。行きながら話すわ!」
光香さんが走りだそうとするが、突然足を止める。
「光香さん・・・?」
「こんな時に・・・・・。」
光香さんが空を見上げている。
家の壁に挟まれた青空に3つの点が・・・あれはパンスト兵!?
「杏美!私の後ろに!」
光香さんの目つきが明らかに変わった。
「早く!やられたいの!?」
「は、はい!」
すぐさま、光香さんの後ろに滑り込む。
その刹那、光線が光香さんめがけて放たれる。
「私の力・・・杏美に見せてあげるわ!」
光香さんが手を空に掲げると、4本の剣が現れ、宙に浮く。
これは・・・・光香さんの力?
「1st発動!」
光香さんの横に浮いていた剣が前に出て縦回転を始める。
パンスト兵の光線は回転する剣にはじかれる。
「隙を見逃すほど、バカじゃない。3rd発動。」
突如、盾に使わなかった3本の剣が横回転を始め、パンスト兵目がけ、空を斬る。
パンスト兵も防御の手段はなく、剣はオマルを貫き、どこか遠くへと飛んで行ってしまった。
強い・・・・これが、光香さんの力。
「先を急ぐよ!」



「ハイグレの浸食・・・?」
「えぇ、そうよ。初め、人間がハイグレ人間に転向した時は自我が残ってるの。だけど、ハイグレを繰り返すたびに、身も心もハイグレ魔王の配下に生まれ変わる。教授もどんなメカニズムなのかはわからないって言ってたけど・・・。」
出来る限り、人気の少ない道を選択し、雪菜さんの元を目指す私達。
最低限の戦いはこなし、先を急いでいるけど・・・光香さんの動きは凄い。
敵の動きまでも、逆手に取っている。私じゃ、援護射撃ぐらいしかできない。
「この辺に雪菜がいるはず・・・。」
公園の近く・・・私達は茂みに身を隠しつつ、雪菜さんを探す。
「「「ハイグレッ!ハイグレッ!ハイグレッ!」」」
ここも、安全とはまったく言えない。
親子がハイレグ水着姿でコマネチをしてる様子が伺える。
公園で遊んでいたところを襲われたのか、公園に逃げてきたところでやられてしまったのか。
だけど、今はもう母と子揃って笑顔でコマネチをしている。
目にはうっすら涙が浮かんでいたところを見るに、つい先程まで苦しんでいたのだろう。
これが光香さんの言う、ハイグレ人間への完全転向なのだろうか。
何にしろ・・・あんな小さな子まで洗脳するなんて・・・・
「杏美、静かに。誰かが走ってくる。」
光香さんに注意を促される。
確かに足音が聞こえる。近づいてくるけど・・・3人ぐらい?
「はぁ・・・はぁ・・・・・。」
あ、あれは・・・雪菜さん!?
そう思った時には私の隣に光香さんはいなくなっていた。
既に雪菜さんの救援に動いていた。
私も後を追う。雪菜さんが私と光香さんに気付いたみたい。
「杏美ちゃん、光香・・・・敵に追い詰められてるの」
「わかってる!雪菜、援護する!」
光香さんが雪菜さんの走ってきた側に立つ。
「・・・ごめん。力を貸して。」
すぐ後を追うように、二人の女性が走ってきた。
身に付けているのは、あのハイレグ。
完全に転向を済ましているのだろう。
「二人だけですか。」
私は光香さんの後ろにいる、雪菜さんに駆け寄る。
「杏美ちゃん・・・二人だけなら何とかなるんだけどね・・・・・。」
「え・・・だって二人しか・・・・。」
「随分と団体できたものね。」
突然、光香さんが落ち着いた声で言い放つ。
振り返ると、20体程のパンスト兵達がオマルに乗って、こちらを攻撃する態勢に入っていた。
空から攻撃をしてきてたのか・・・
「雪菜、この数なら何とかなる。心配なのはハイグレ人間の二人をどうするか。」
「気を失わせるしかない・・・・としか。」
「それでいいのね。わかったわ。」
わかった、って・・・あの数のパンスト兵を相手するの!?
「杏美と雪菜は援護をお願い!」
光香さんの周囲に4本の剣が浮く。
「さて・・・この数となると、手は抜けないか。3rd発動!」
二人のハイグレ人間とパンスト兵達が光線を放つと同時に光香さんの2本の剣は激しく横回転をしながらパンスト兵へ直進する。
パンスト兵はかわす手立てはなく、オマルを貫かれ、吹っ飛んで行ってしまうが・・・
「光香さん、危ない!」
ピンクの光線は光香さんへと一点集中攻撃をする。
「1st発動!」
光香さんの前に浮いている1本の剣が縦回転を始め、次々に光線を弾き飛ばす。
「私達も援護をしましょう!」
光香さんの動きに見惚れていた私が我に返り、雪菜さんに言う。
「そうね・・・光香の両サイドから攻めようとしてるパンスト兵だけ、撃破するわ。」
「両サイドだけって、2、3体ですよ!?」
そんな少数だけ倒しても・・・・。
「迷ってる時間はないわ。1st発動!」
雪菜さんの手に氷の杖が握られる。
杖の先から氷塊を放ち、パンスト兵に攻撃を開始する。
* Re: ハイグレと戦いの先に ( No.9 )
日時: 2011/11/25(金) 22:41:06 メンテ
名前: DY

「・・・・私も!」
赤龍と青龍で光香さんの背後に回ろうとする敵を迎撃する。
だけど、2本の剣は飛ばして、前面の守りで1本・・・・光香さんは、あの4本の剣の動かし方を頭の中で把握している。
「戻って!」
光香さんが叫ぶのと同時に飛んで行った2本の剣が戻ってくる。
パンスト兵のいる場所を戻ってくる軌道に入れている・・・?
そう思った時には2本の剣はパンスト兵を貫いていた。
「・・・戻ってくる軌道でパンスト兵を狙うなんて・・・・・・・。」
凄い・・・あっという間に半分近くのパンスト兵を倒してる。
そのうえ、敵の攻撃は前面で縦回転を続ける剣1本で守り切っている。
「3rd発動!」
戻ってきた2本の剣を再び飛ばし、パンスト兵を1体1体撃破していく。
2本の剣は戻ってくるときにもパンスト兵を倒す。
1本の剣はずっと盾の役割を果たしている。
あとの1本は何のために・・・・?
「そろそろ終わりにする!」
光香さんが浮いている1本の剣をつかみ、二人のハイグレ人間に向かって走り出す。
まだパンスト兵が数体残ってるのに突っ込んでいくの!?
「光香さん!危ない!」
パンスト兵から集中砲火を開始される。
「5,6体の攻撃ぐらい・・・かわせるわよ!」
放たれる光線を上下左右に素早くかわしてる・・・
完全に動きを読んでる。私なんかじゃ光線の撃たれる場所なんて把握できないのに。
「じゃあ悪いけど・・・少し眠ってて!」
光香さんが二人のハイグレ人間の元に辿り着いた時に、その二人は気を失い、その場に倒れこんでいた。
私の眼じゃ、何が起きたのかサッパリ分からない。
「さて・・・これで終わり。3rd発動!」
光香さんが4本の剣全てを飛ばし、パンスト兵を撃破する。
こんなにも素早く全てのパンスト兵を倒せるなんて。
「ざっとこんなもんかな。このハイグレ人間達が目を覚まさないうちに、ここを離れよう。」
光香さんが私と雪菜さんの元へ、ゆっくりと歩み寄ってくる。
「そうね。増援もすぐに来るだろうから。」
雪菜さんが歩き出す。
「雪菜、一旦拠点に戻った方がいいわ。」
ふと光香さんが提案すると、雪菜さんは申し訳なさそうな表情を浮かべる。
「私が敵の包囲網に掛ったせいで迷惑掛けたんだから、これ以上手間かけさせたくないの・・・。」
「私から言えば、現状報告をして欲しいってことも含めてるんだけどねぇ?」
悪戯っ子の笑みで雪菜さんに話を振っている・・・・
何だか、光香さんって色んな意味で強いなぁ。
「はぁ・・・光香には勝てないわ。わかった、報告に戻るわ。」
雪菜さんと別れ、私達は再び調査に動いた。



「結香ちゃん、杏美のこと心配なの?」
あたしは部屋でジッとしている結香ちゃんの傍に寄り、話しかける。
「うん・・・・。」
元気のなさそうな声で返事をする結香ちゃん。
「ダメだよ、結香ちゃんが杏美を信じないんじゃ。あたしが言うのも難だけど、あたしの数倍はしっかりしてるからね。」
笑いかけながら言うと、結香ちゃんはあたしの方に顔を向ける。
「うん、お姉ちゃんだもんね。」
結香ちゃんと話しを続ける。
家や学校の時の杏美のこと、色々なことを話す。
いつの間にか結香ちゃんも笑顔になっていて、時間を忘れていた。
「ん?何だろ。」
部屋の外が騒々しい。
杏美が戻ってきたのだろうか。
そう思った矢先、施設中に響く警報音。
「な、何!?」
あたしは結香ちゃんに待っていてと言い、部屋を出る。
そこには走りまわる研究員らしき人達。
「一体何が・・・・。」
「七夏!」
あたしの元にサニーが駆け寄ってきた。
「七夏、部屋に入って!」
「え・・・何がどうなってるの・・・・・。」
「ほら、早く。鈴賀も早く。」
サニーと一緒に鈴賀も部屋に入る。一体何なの・・・・
杏美・・・・・




「いやああぁぁああ!来ないでぇ!!」
パンスト兵達は人間をハイグレ人間へと変える存在。
ハイグレ魔王の命に従い、ハイグレの世界を作る兵士。
今も、逃げ惑う少女に光線銃を向け、ハイグレ人間へと変えようとする。

「罪もない女の子を無理やり水着姿にしようだなんて・・・勝手が過ぎるんじゃない?」
剣が何かを貫いたような音が響く。
光香さんがパンスト兵を倒したんだ。
「大丈夫!?」
私は逃げていた少女に話しかける。
「あ・・・・・うぅ・・・・・・・。」
酷く怯えてる・・・無理もないよね。
「杏美、その子・・・どう?」
光香さんが顔を覗かせる。
「ショックを受けてるみたいで・・・・かなり追い回されたのかもしれないですね。」
周りは次々に洗脳され、あんなポーズを取らされている。
それなのに、自分もそう変えられてしまうかもしれない。
私達みたいに戦う術のない人には想像もできないほどの恐怖だろう。
「もう大丈夫だから。パンスト兵の奴は光香さんが倒してくれたから。」
私は混乱してる女の子を慰める。
光香さんは新手のパンスト兵が来ないか周囲の警戒を張っている。
「光香さん、どうしましょう。一旦研究所に戻りますか?」
私が質問すると、光香さんはチラッとこちらを見る。
「そうね・・・この子を連れまわすのは危険過ぎるわね。一度拠点に戻りましょう。」
そう言うと、光香さんは研究所に向かう道を歩き出す。
こんなこと考えるのもどうかとは思うけど、こうやって一人ひとり救出を繰り返している時間はあるのだろうか・・・
事態は一刻を争うようなことを教授は言っていた気がするんだけど。
「ほら杏美、早く戻るよ。」
「あ、はい!」
考えていたって仕方ない。
教授達が無策でこんなことをしてるとは思えないし、今は私のやるべきことをやろう。


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